ストリートビューと写真

Googleマップのストリートビュー
「すごい」「楽しい」「怖い」「気持ち悪い」
いろんな意見や感想を聞くようになった。
ストリートビューが私達から何を奪い何を与えてくれるのか、これは問題提起でもあると思う。そして、慣れてくると当たり前のように受け入れられてしまうものなのかもしれない。その”慣れ”こそが、実は一番怖いような気がしている。
私は写真を撮っている人間として、上手に伝えられないかもしれないけど、感じていることを少しだけ。


先日のエントリーにも書いた、釣鐘町で釣鐘を見つけた後、なだらかな坂道を下り、東横堀川の平野橋を渡ろうとして立ち止まった。この橋を歩いて渡るのは初めてだ。最近とても橋の欄干デザインに興味を持っている。良く見ると洒落た欄干がいくつも見つかるものだ。この平野橋の欄干も、とても美しいものだった。阪神高速環状線の高架下に流れる東横堀川、欄干ごしに見えた都市の風景を美しいと思った。


南側にも橋脚部分が美しい橋が見えた。気ままな針穴散歩なので回り道をする。その橋は大手橋という橋だった。欄干部分はシンプルな造りだったけれど、その橋の向う側にとてもとても美しい近代建築が建っていた。興奮する心を落ち着かせて、まず先程の平野橋と同じ目線で撮影をした。


カメラとフィルムを換えて、その後で橋の反対側からも撮影し、気になって仕方がない近代建築を撮影した。しかし興奮のあまり、フィルムを数字二つ分巻かないといけなかったのに、一つ分しか巻かなかったようだ。
(その後、建物の詳細がわかりました。岸本瓦町邸(1931年)でした。)


大手橋のストリートビューの画像をここにあえて貼り付けておく。
この先には、私が興奮した近代建築も写っている。
もし、あらかじめこの画面をストリートビューで見て、予習して針穴散策をしていたら、私はあのように目の前に現れた近代建築に心時めいていただろうか。半分くらい時めいたかもしれないけど、街を散策する楽しみっていうのは、実際に自分で歩いてみて、その場所の風に吹かれ香りを感じ、音を聴く事ではないだろうか。道行く人と挨拶を交わし、美しいと思った風景を立ち止まり写真に収めるのだ。
ストリートビューには全く感情が感じられない。それは写真ではなく、撮影者の感情が入っていない、ただの画像だからなのかもしれない。

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コメント

  1. しきはん より:

    橋の欄干、橋のいろいろな造作、本当に素敵ですよね。
    うっとりしながら橋の隅々まで愛でてしまいます。
    大きな橋だけじゃなく、小さな橋の細部に
    しゃれたデザインを見つけると、
    自分だけの秘密を持ったような気持ちになって
    わくわくします。
    ぜひ今度我が家の近所だけでも、
    橋を一緒に見て歩いて針穴したいです。

  2. tearoom より:

    しきはんさん
    本当にそうですよね。
    今までも無意識に橋や欄干を撮ってましたが
    それは無意識に魅かれていたからなんでしょうね。
    しきはんさんの近所も、またじっくり牛歩で一緒に撮り歩きたいです。
    よければまたお付き合いくださいね;D

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