叔父の葬儀のため、11日に広島県呉市まで行ってきた。ここは父方の祖父母の家もあったため、幼い頃は、よく遊びにつれていってもらっていた街だ。現在も叔母達や従姉妹が住んでいて、帰省時には車でお墓参りに行っている。葬儀には私だけ参列したため、電車で行ってきた。思い出深い呉線、直行の電車があるらしいが、あえて各駅停車を選んだ。

広島駅発10:07。途中の海田市駅で、私の母が乗ってくる予定。せっかくなのだから、実家にも立ち寄ればいいのだが、今回は私の事情と母の事情で日帰り予定。喪服セットとカメラだけバッグに入れて、叔父との思い出を噛みしめながらの、つかの間の旅となった。呉は大好きな街なのだけど、写真を撮る時間もなさそう。せめて電車の中から何か撮ろうと思い、広島駅から呉駅まで、駅に停車ごとシャッターを押した。

上段左から広島駅、今年できたという新駅、天神川駅、マツダ本社が目の前にある向洋駅。二段目、母が乗ってきた私の実家がある海田市駅、ここまでは山陽本線も通っている。ここから単線になる。矢野駅、坂駅。このあたりは友人が多く住んでいる。坂駅あたりから海が見え始める。三段目、すぐ横が国道31号線の水尻駅、一番近かった海水浴場のあった(今もあるのかな)小屋浦駅、もう遊園地はないけどフェリー乗り場もできている公園になっている呉ポートピア駅。四段目、高校の担任の先生がこの近くのはずな天応駅。幼い頃父に連れていった思い出が強く残る目の前が海水浴場の、かるが浜駅、この近くでよく釣りをしていた吉浦駅、父が亡くなる前にもう一度見たいと言っていた海だ。五段目、古い駅舎が好きだった川原石駅、そして呉駅。(呉線はその後糸崎駅まで続く)

呉駅に着くと呉線開業100周年のフラッグがいっぱい。昨年末に100周年を迎えたらしい。7月4日まで、入船山記念館で企画展も行われているようだ。
叔父の葬儀は、駅のすぐ裏の会館。こんな時しか会えないねと言いつつ、泣き笑いで再会を喜びながら、叔母達や従姉妹達と叔父との思い出を語り合う。叔父の顏はとても安らかで、父の死に顔とそっくりだった。倒れて二週間で逝ってしまったらしい…。叔父を見送った後、叔父の家で初七日を済まし、思い出話に花を咲かせた後、今度帰省してお墓参りに呉に行ったら、必ず寄るからねと、再会の約束をして、再び呉線で広島に向かい、途中で母と別れ、広島駅で新幹線に乗り換え大阪に帰った。

瀬戸内海の側を走る呉線が最も美しい時間は、島影に夕陽が沈むまでの夕暮れ時だ。この時間には少し遅くて、美しい夕暮れを見る事はできなかったのが残念だった。上の写真は午前中に撮ったもの。下の写真は19:13に車中より撮ったものだ。島影いっぱいの瀬戸内海を見ながら、叔父を見送るノスタルジーな小旅行だった。
