進化していく針穴HOLGA

3500円くらいで買えてしまうHOLGA120Sは、ブローニーフィルムが使えるカメラ。6X6のスクエアな写真を撮ることが出来る。2台手に入れたのが6月。1台は大きな改造もせずに、HOLGAを楽しむ用として使っている。もう1台は針穴カメラととして手に入れられた運命を全うすべく、改造されまくっている。


(以下画像多め)


改造第一弾『シャッターユニットの利用』
シャッターを押している時に、シャッターが開きっぱなしになるバルブ撮影を目指した。やりたかったのはレリーズを使ってシャッターを開いておく事だった。そのため、あの頼りないシャッターボタン部分に穴を開けて、レリーズを挿したかったのだが、それはあっさりと挫折。穴を開けた所、レリーズを使用するには頼りなさすぎるシャッターボタンだった。レンズ部分を取り外し、シャッターユニットは全開した所でストッパーがかかるように、プラスチックの小さなストッパーを接着剤で着けた。これは上手く行ったように見えた。シャッターを押していないとシャッターの羽が開かないから、埃除けにレンズについていた蓋をつけた。針穴カメラには三脚穴が無くてはと、ヨドバシに行って使えそうなネジ切りナットも買ってきた。


割とスマートに仕上がって満足していたのだが、大きな落とし穴が二つあった。ひとつは、シャッターを指で押している時にカメラが揺れること。もうひとつは現像してみてわかった事で、シャッターの羽が全開してなくて写真にしっかり写ってしまっていたことだ。


改造第二弾『シャッター蓋方式に変更』
その後シャッターユニットの利用はやめて、シャッター蓋方式にする。やったことは、シャッターユニットを取り外す事と、前回外していたレンズがついていた部分のパーツ(ネジ式になっていた)を利用して、レンズカバーをテープで固定して、それをシャッター蓋として利用することにした。クルクルと回して取り付け取り外しができるので、蓋が外れる心配がない。


この改造をしてカラーフィルム一本撮った。外に持ち出してわかったことだけど、これだと見た目は改造なしのHOLGAと変わらず、嵩張る。このカメラ一つだけ持ち歩くのなら良いのかもしれない。でも三脚は必須だしデジタルカメラだって持ち歩く。オトピン広角君のようにスマートになってもらいたい。


改造第三弾『削って貼り付けて蓋を作る』
薄くすることが課題だ。針穴HOLGAを作っている人のHOLGAの中には、市販のカメラのレンズの蓋を付けている人がいることに気づく(m-nakaさんとかmi4koさんとか)。あれはどうやっているのだろうか。あんな風にしたい。こういう時はヨドバシだ。カメラの蓋など売っている場所でうろつく。フィルターの枠だけあれば、それを貼り付けカメラの蓋が付けられるのにと思ったが、そんなものはない。挟み込むレンズの蓋ではなくて、はめるだけの蓋の真ん中に穴を開け、それを貼り付けて、挟み込むレンズの蓋をすれば良いのではないかとひらめいた。通りかかった店員さんに「そうやって止めることができますか?」と尋ねると、「挟み込む方式の蓋は、相手側にネジキリがないと止められません。」と言われた。そうだったのか。聞いて見て良かった。少し予算はかかるけど、『ステップダウンリング』というものを見つけた。中にネジキリがあるので蓋が止められるはず。リングの幅が広いほうが接着剤で付けやすいと思ったので、小さいほうから二番目の62mmから52mmに変えるリングにした。蓋は外しやすく取り付けやすそうな蓋を、売場を歩き回りさがした。Tamronの52mmの蓋を選んだ。しかし取り付けてみないと安心できない。優しそうな店員さんに理由を話し、開封してもらってはめてみてもらった。バッチリだ! お礼を言って支払いをすませ、帰宅後改造だ。


シャッターユニットがついていた部分すべて外しても、四角い立ち上がりが残っている。これを取らないとリングが着けられない。紙やすりで削ったり、爪を磨く電動やすりで削ったり、カッターナイフで削ったりして平らにした。そこにリングを接着剤で着けた。リングの中側の大きさのプレートは、以前買っていた0.1mmの銅板を使った。真ん中にドリルで穴を開けて、つや消しの黒いスプレーペンキで着色。プレートは本体に両面テープで取り付けた。自作の針穴も取り付けて完成だ。申し分なくスマート!! 写りはどうだろう。試し撮りは自分で現像ができるモノクロフィルムで撮った。


試し撮りは部屋の中でやったので、次はカラーフィルムで野外で撮ってみる予定。綺麗に撮れるといいな。(針穴とトイカメラのPhotoblog、あなろぐ茶房も今後ともどうぞよろしく。)

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コメント

  1. Michiyo より:

    す、すごいです~!執念の改造!
    ステップアップリングをつかうとは、なかなか考えましたね。スマートだなあ~
    私は改造第2弾(一番楽な方法)でとまっていますが、やっぱりかさばりますね~。

  2. 針穴友の会 より:

    今週のハリアナ 9/1(Wed)-9/10(Fri)

    いよいよ9月に突入!
    秋一番のハリアナ、おまちしています。
    毎度おなじみテーマフリーのハリアナトラックバック企画です。
    今回もバシバシ針穴写真をアップしてTBしてください。

  3. しきはん より:

    すごいですね〜改造。
    もうこうなると、工作と設計の世界!尊敬。
    アイディアや発想もすごいですね。
    私なんて、バッサリレンズユニットは切り離し、
    シャッターはただの黒テープです。
    厚みはないのでスマートです。たまにテープを新しくします。
    長いのを付けておくと裏側に止めておくことができて便利です。
    三脚の穴は一眼レフ用のネジを緩めずに三脚の穴の位置をスライドさせる板(解ります?)を髪の毛を結ぶゴム(カラフルにしてオシャレ心をプラス<爆)で止めているだけです。
    カメラ本体を改造しようなんて心意気がゼロで情けなくなりますね。 

  4. きまた より:

    とてもスマートですね。カッコイイ!
    まるでHOLGAじゃないみたい(笑)
    職人と呼ばせて下さい。

  5. tearoom より:

    Michiyoさま
    プラスチックのトイカメラだと、削ったり貼ったりしやすいので、ついつい(笑)
    バッグ好きなのに、大きなバッグしか持てなくなっているので、選択肢が少し広がればいいなと、思って頑張りました!
    しきはんさま
    シャッターユニットを外すのは、しきはんさんのサイトを見ながらやらせていただきました。いつもお世話になってます:) 蓋のことは書かれていなかったんで、どうやってるんだろうと思ってましたが、テープだったんですね!
    三脚のプレート、サイトで拝見してますよっ! 今の三脚穴プレートネジ止め方式にするまえ、厚紙でそういうの作ってゴムで止めてマネさせていただいたりしました。
    私はきっと工作が好きなんでしょうね(笑)針穴してる人って、工作好き多くありません?;)
    きまたさま
    HOLGAらしさなくなっちゃいましたか(笑)タムロンのロゴはシールで消しちゃおうかな。マスコット人形の動く目を上に貼り付けて、ロゴのところには鼻と口書いたシール貼って、パンダ風! なんていいかもっっ!!(笑)
    壊したカメラもあるので(改造しててバネがひとつ入らなくなった(笑))、職人と呼ばれるには修業が足りません;P

  6. しきはん より:

    私のようなヘタレ説明を参考にして下さってありがとう。
    なんというか、ハリ穴って、黒テープだろ〜って思い込みがあります私(苦笑)あのチープさの前には高級レンズも逃げ出すわ〜って(爆)
    私も実は工作大好きです。うちの学校は中学から選択単位制があったので工作物ばかり取ってました(進路がそっちだったので)。
    だからホントは空き缶&印画紙をやりたいんですけどね〜ですけどね〜。
    なんかHOLGAに惚れちゃってます。
    もう1台買ってフィルムを分けようかな〜とか考え中。
    針穴写真好きって工作心も満たされるので工作好きが多くなるのかもしれませんね〜。

  7. nao より:

    TAMRONの「M」を反時計回りに回転させる改造を希望。 😛

  8. tearoom より:

    しきはんさま
    >針穴写真好きって工作心も満たされるので工作好きが多くなるのかもしれませんね〜。
    そうなんでしょうね。工作心満たされてます 🙂
    缶カメラと印画紙は、どうしても自宅現像になってしまうので、匂いに反対の家族がいると難しいんでしょうね。
    HOLGAもう1台いっちゃってください 😉
    naoさま
    ということはTAERONですね(笑) また新しい呼び名が増えそうです。

  9. みお より:

    はじめまして。ピンホーラーのみおと申します。
    トイカメラや針穴の作品を拝見させていただきました。とっても気持ちが映る作品たちですね。
    私もホルガを改造して針穴にしています。(ワークショップやってます)
    http://www.art-photo.com/wppd/2003/howtopinhole/index2.html
    これだとシャッターユニットがないので納まりがよいです。でウルトラワイド。ルックスを考えるともう一工夫したいですけれど。

  10. tearoom より:

    みおさま
    はじめまして:) とはいえ、みおさんの別サイトはピンホール写真で検索して見つけて、拝見していました(The Slow Photography等)。その時には、教えていただいた改造のページは見つけられなかったのか、今回初めて拝見しました。
    こういう方法があったのかと、目からウロコでした。こっちのほうが簡単でしたね。シャッターもレンズキャップを被せるより、良いような気がします。またHOLGAを改造して作る際には、このやり方で作って見ようと思いました。
    ぜひ針穴友の会にもご入会下さい。公園のようなハリアナ愛好家の集う場所です。BlogPeople
    http://www.blogpeople.net/
    に会員登録してもらって、針穴友の会を登録していただくだけです。九州方面のメンバーが少ないので、ご参加いただけるととても嬉しいです。
    写真を見て頂いた上にコメントまでいただいて、とても嬉しかったです。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

  11. ken より:

    こんばんわ。かなり前の記事だと思うのですが、Holgaの針穴改造にあたって、参考に(というよりテキストのように!)させて頂きました。ボロボロになった厚紙シャッターから、これで開放されそうです。
    同じなら一番新しい記事にコメントさせていただこうと思ったんですが、グーフィーちゃんの記事へのコメントとして変かと思い、こちらにさせて頂きました。見つかりにくい場所にごめんなさい

  12. tearoom より:

    kenさん
    こんばんは:) 在阪のピンホーラーさんだということに気が付いた時から
    RSSリーダーに登録してblog読ませていただいています。zero image社のカメラを絶対お買いになるに違いない!と思っていたのですが、少し予想がはずれちゃいました;) でも絶対いつかは手に入れられるような気がしてます。
    参考にしていただいて恐縮です。照れ臭いけど嬉しかったです:)
    紙に比べると耐久性はありますが、スライド方式のほうが至近距離での撮影がやりやすいので、スライド方式の魅力も捨てがたいですよね。私は今はzero2000deluxeをメインに使っているので、スライド方式の針穴HOLGAを作りたいなと思いつつ作っていない状態です。zero image社のpinholeカメラの針穴は優秀すぎるので、面白くて綺麗なフレアを出したくなったら、この針穴HOLGAを使っています。愛着いっぱいで可愛いカメラです:)